研究課題
平成16年度では、情報通信産業の「小売市場」における事業戦略を研究するためのサーベイ、ナッシュゲームの均衡解に関する基礎研究、つまり、均衡解の解き方について研究した。サーベイ研究では、情報通信事業者が自社の通信サービスを一般の利用者、たとえば、インタネット・サービス・プロバイダー(ISP)、アプリケーション・サービス・プロバイダー(ASP)やインタネット・ショッピングモールなど、に販売する市場における事業戦略のモデリングを考案した。小売市場には多数の通信事業者が参入し、また料金規制の緩和に伴い価格競争が激化している。小売事業者が提供するネットワークの容量が一定であるとすると、利用者が増加してネットワーク内を流れるトラヒックが増大すると、個々の利用者に割り当てられるネットワーク容量が相対的に低下し、サービス品質は低下する。サービス品質が低下すると、価格に比して品質が低いと感じる利用者は解約する。つまり、低価格と高品質という、2つの矛盾する要因が「小売市場」を影響している。競争の立場にある各小売事業者は、より多くの利用者に契約してもらうために競争事業者より低い価格を提示する必要があるが、利用者に解約させないようにするためには、サービス品質を維持できるだけの十分な容量をもつネットワークを構築するためのモデルを考案している。一方、基礎研究では、大規模、動的システムにおけるナッシュゲーム、多パラメータの特異摂動システムにおけるナッシュゲームに関する均衡解の求め方について研究した。ナッシュ均衡解を求めるために連立リカッチ方程式を解かなければならない。このための数値計算アルゴリズムを提案した。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
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