研究課題
平成18年度では、情報通信産業における動的競争として、独占的または複占的サービスを提供するISPsと、当該ISPsに加入する多数の潜在的なユーザからなる市場をそれぞれ研究してきた。最初に、独占的なISPが存在する市場について考えた。ユーザはISPのサービスを利用することは何らかの価値を認めているが、そのサービスは生活上に欠かせないものとして認識しないことを仮定した。この仮定の下で、ユーザはサービスを利用するときかかった費用がそのサービスから得られた効用と同じか、下回らない限り、ISPには加入しないものとした。つぎに、複占的なISPsが存在する市場について考えた。ユーザはISPsを加入してから、サービスの品質によって、ISPs間に自由にスイッチングすることができるものとした。サービス料金は両方とも定額制で、かつ料金水準は市場の外から与えられているもの、たとえば、政府の規制など、とした。それぞれの市場背景において、ISPsの投資行動(回線を借りたり、返却したりとする行動)とユーザのサービスの利用行動(ISPに加入したり、ISPs間にスイッチングしたりとする行動)を記述する動的最適化問題と動的ゲーム問題をそれぞれ定式化した。最終目標としての解析的な結果がまだ得られていないが、その初期段階の結果として、シミュレーション計算によって、さまざまな行動パタンーを分析した。これからは、これらのシミュレーション結果を検討して、解析的な結果を得られるように研究していく。
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