研究概要 |
検査計画も実験計画と同様な組合せ的構造を持っており,その構成についても有限体などの代数や組合せ理論を中心とした離散数学を駆使して構成する.ソフトウェア・テストには直交配列など実験計画法で開発された計画も利用できるが,直交配列は制約が厳しいため構成できる範囲がきわめて小さい.直交配列より条件を緩めた被覆配列とよばれる組合せ的配列の研究を行った. 藤原と繆は被覆配列へ拡張可能な特殊な直交配列の構成のため,有限射影幾何上のある問題の解決を試みるた.被覆配列と裏の関係のある詰め込み配列の構成にいくつかの結果をえた.また認証符号で特殊な直交配列を必要とし,被覆配列との関係もあり,特殊直交配列の構成問題に取り組んだ. 被覆配列と双対関係にある、詰め込みデザインの研究を行った.藤原・繆・三嶋は論文[4]で分割型Difference Packingと周波数ホッピング系列の同値関係を見つけた.この同値関係に基づいて、藤原・繆・三嶋は最適な周波数ホッピング系列を数多く構成した.この研究は直接的には無線通信のための技術であるが,双対関係がある検査計画のための被覆配列の構成に重要な示唆を提供してくれる. 藤原は強さ3の被覆配列の構成に取り組んでいる.Chateauneuf-Colbournの方法が有名であるが,彼等とは異なる方法で,より効率の良い配列を作る方法を研究中である.強さ2(一部強さ3)の直交配列を拡張して,強さ3の被覆配列を作る方法で,この方法は検査回数が少なくてすむ特徴を持っている.今,引数の数を最大いくつまで増すことが可能かを研究中である.
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