研究課題
基盤研究(C)
本研究は大別して(1)TCO(Total Cost of Ownership)の推定、(2)random-coefficients discrete-choice models of demandに基礎においた新たなモデルの開発、(3)アメリカ自動車市場へのモデルの適用、の三つからなる。本年度はTCO(Total Cost of Ownership)の推定に重点を置く。TCOの中で推定が最も困難な維持・修理費の部分を以下の手順で求めた。Step1.Consumer Reportの自動車信頼性データを用いて、多項ロジスティック回帰モデルを推定し、信頼性に影響を及ぼす説明変数を特定する。Step2.このモデルを用いて、各車種の信頼性スコアを予測する。Step3.各車の予測信頼性スコアとやはりConsumer Reportの信頼性スコア毎の修理度数から各車の修理度数を計算し、これらを合計して修理度数合計を推定。Step4.自動車販売統計とConsumer Expenditure Surveyの中の自動車維持・修理費支出を基に全米における自動車維持・修理費支出合計の推定値を計算。これをStep3の修理度数合計推定値で割り、一修理毎の平均自動車維持・修理費支出を求める。Step5.アメリカ車と日本車のパーツの価格差を勘案し、Mitchell Mechanical Parts & Labor Estimating Guideを用いて車種ごとの相対的な維持・修理費のウエイトを計算。Step6.Step3で計算した各車種の修理度数に、Step4で計算した一修理毎の平均自動車維持・修理費支出とStep5で計算した相対的な維持・修理費のウエイトをかけ推定する。本年度はまずこの分野の先行研究の網羅的調査を行うとともに、データを用いてTCOを推定した。これが研究発表欄に掲げた第一番目の論文である。
すべて 2004
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The Journal of Management Accounting, Japan 13巻1号(刊行予定)