研究概要 |
整数計画問題ソルバーの高速化に関する研究を多面的に行った.各今年度の予定に対する実績をまとめる. 1.数理計画分野における高速化アプローチに関する研究 整数計画問題の主算法(Integral Basis Method)のサーベイ,実装を試みた.現状では,一般的な整数計画問題に対しては,先行研究として既に発表されている論文中に示されている性能に到達していない.そこで,二次割当問題に限定して解法を研究することを通じて,既存の解法の改善方法を含めた実装技術に関する知見を得ている.まだ,対外発表はないが,17年度中には成果をまとめられる. 2.並列処理分野における高速化アプローチに関する研究 並列処理としての高速化に関する研究は,PCクラスタ環境へ特化したスケーラビリティの高い負荷分散方式の開発・実装が本年度の課題であった.対象は混合整数計画問題ではないが,クラスタ利用技術に対する知見を得るため,パンケーキグラフの直径計算の並列化を試みている.パンケーキグラフの直径計算の並列実装は終了した. 3.MIP(Mixed Integer Problem)ソルバー・ポータルの設計 MIPソルバー・ポータルの設計・実装に関しては,実際に動作させるための環境構築を行った.研究代表者と同じ研究機関に属する並木研究室とのPCクラスタ共同利用環境をまず構築した.今後,学外からのアクセスをセキュアな状態で行えるようなシステムを構築予定である.
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