研究概要 |
整数計画問題ソルバーの高速化に関する研究を多面的に行った.各今年度の予定に対する実績をまとめる. 1.数理計画分野における高速化アプローチに関する研究 整数計画問題の主算法(Integral Basis Method)の実装を試みた.二次割当問題に限定して解法を研究することを通じて,既存の解法の改善方法を含めた実装技術に関する知見を得た.こちらの成果は論文としてとめた.また,そこで得た知見にもとづいた全0-1整数計画問題に対するIntegral Basis Methodの実装を行った.対外発表は研究会における発表のみで,論文としてはまだまとめられていない.最適性の保証だけでも,高速化に寄与できることを期待したが,現状では既存の解法とは比較にならないことが確認できた.しかし,改善の余地は多い. 2.並列処理分野における高速化アプローチに関する研究 PCクラスタ環境へ特化したスケーラビリティの高い負荷分散方式の開発・実装が本年度の課題であった.クラスタ利用技術に対する知見を得るため,パンケーキグラフの直径計算のConder/MWによる並列化を試みた.250台規模のPCクラスタにおける1月以上の連続稼動実績のあるシステムが構築できた.こちらは論文として1件発表した.MIPソルバーとしての実装は行えていない. 3.MIP(Mixed Integer Problem)ソルバー・ポータルの設計 準備はできており,技術的な問題点はないが,残念ながらMIPソルバーが構築できていないので,機能していない.
|