中高齢者を対象とする作業工程の設計支援システムを試作した。本システムは、中高齢者の身体機能に合わせた作業工程の設計、作業手順の計画、作業訓練及び、作業工程内の設備の安全性を検証できる機能を有する。このシステムを試作するために、以下の要素技術を開発した。 1.中高齢者活用のための作業訓練手法および装置 中高齢者が作業訓練を行なえるように人工現実感を用いた仮想作業工程を構築した。スクリーンを45°傾斜させ、正面を向いたとき部品棚が見え、下を向いたとき作業机の上面が見えるようにした。左右の手で仮想の部品および工具を把持し、組み立て作業を体験できるようにした。この装置を用いる場合と、用いない場合とで作業者が作業手順を覚える期間をどの程度短縮できるかを実験により検証した。研究成果をProceedings of International Conference on Industrial Management 2004、および日本経営工学会平成16年度秋季研究大会予稿集にて公表した。 2.リンクモデルを用いた作業姿勢計画手法 人体をリンクモデルでモデル化し、作業負担が最小となる作業姿勢を求める手法を提案した。作業負担を評価するために欧州で広く使用されているRULA基準を用いている。作業負担の上限値を設定し、全ての部品について作業負担が設定値以下となるように部品の配置および作業姿勢を計画できるようにした。研究成果をProceedings of International Conference on Industrial Management 2004にて公表した。
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