研究概要 |
中高齢者を対象とする作業工程の設計管理を支援することを目的として以下の技術を開発した。 (1)人工現実感を用いた組立作業訓練装置の効果の検証 人工現実感装置を用いて,中高齢者が作業し易い作業域の設計および予め作業訓練を行えるようにした。そして,この装置の有効性を実験により検証した。実験の結果,作業訓練時間の低減に有効であることが確認された。 (2)位置・姿勢のばらつきを考慮した生活動作分析手法の開発 製造工程および住宅内での中高齢者の行動を見守るために,画像処理を用いて行動を連続認識できる技術を開発した。オプティカルフローを用いて人物を認識する。次に,人物の位置と姿勢に関する6つの特徴量から動作を判別する。そして,動作の時系列変化かからどのような行動が行われているのかを判別する。 (3)中高齢者の作業負担を考慮して作業姿勢を計画できる手法を開発した。本手法は人体リンクモデルを用いる。本モデルは,人体を9つの関節を有するリンクモデルによりモデル化している。制約条件として,動作の始点と終点における手先の位置,身体的特性およびRULAにより設定されている関節の曲げ角度の範囲を設定する。また,全ての関節の曲げ角度に係数を乗じた値の総和を目的関数とする。そして,目的関数を最小化する解をニュートン法により解き,動作の始点と終点の姿勢を計画する。 (4)中高齢者活用のための作業特性評価手法に関する研究 本研究では,移動対象物に対するハンドリング能力を測定できる装置を開発した.この装置により,中高齢者のハンドリング作業能力を測定する.そして測定データを分析し,ハンドリング作業能力と職務内容の対応関係を明らかにする.このハンドリング作業能力と職務内容との関係を利用することで,中高齢者の活用の支援を行うことを可能にした。
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