研究課題
基盤研究(C)
生産システムの設計において考慮すべき主要な性能評価基準として、スループットやリードタイムなどの「生産効率」および原材料、仕掛品、完成品などを運搬するための費用である「物流コスト」の2つがあげられる。実際の工場では、加工時間のばらつきや部品、注文の到着のばらつきは避けることができないが、これらのばらつきを吸収し生産効率を向上させるためにバッファスペースを用意し、そこに中間在庫を保持するのが一般的である。しかし他方では、バッファスペースの設置によって工程間の距離が増加し、生産効率が低下することも懸念される。したがって、工場レイアウトを考える場合には、バッファスペースも含めたレイアウトを扱う必要がある。本研究ではこのような不確実な要因を考慮した状況下で、生産効率を向上させる最適なバッファスペース配分および工場レイアウトを求めるいくつかの間題を定式化し、この問題のための新たな技法を開発した。最初に扱った問題では、比較的大きいサイズの仕掛品を扱い、AGVがその搬送を行うジョブショップ型生産システムをとりあげ、生産評価基準であるリードタイムを最小にするバッファスペースも含めたレイアウトを求める最適化問題を提案した。さらに、このモデルのリードタイムを近似的に求めるためのマルコフ解析の分解法を提案し、これとGAを組み合わせて最適化の解法を構築した。またこれとは別に、スループット最大化と物流コスト最小化の二目的最適化問題も提案した。この問題では、工場のレイアウトはスループットに影響を及ぼさないことから、まずマルコフ解析によってバッファスペースが与えられた下でのスループットを求めたうえで、遺伝的アルゴリズムを用いてバッファスペースも含めたレイアウトのパレート最適化を求めた。
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Journal of Japan Industrial Management Association (掲載予定)
Journal of the Logistics System Japan Vol.7, No.1
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Mathematical Programming Vol.B-108
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Journal of Japan Industrial Management Association Vol.55, No.6
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Communications of the Operations Research Society of Japan Vol.49, No.7
Journal of Japan Industrial Management Association, to appear