研究課題/領域番号 |
16510123
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
矢部 博 東京理科大学, 理学部, 教授 (90158056)
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研究分担者 |
八巻 直一 静岡大学, 工学部, 教授 (20120222)
沼田 一道 東京理科大学, 工学部, 助教授 (30106893)
小笠原 英穂 東京理科大学, 理学部, 講師 (00231217)
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キーワード | 非線形最適化 / 非線形計画法 / 半正定値計画問題 / 共役勾配法 / 記憶勾配法 / 準ニュートン法 / ニュートン法 / 主双対内点法 |
研究概要 |
無制約最適化問題および制約付き最適化問題を解くための数値解法について、以下の通り研究した。研究成果の一部は日本OR学会、数値解析シンポジウム、研究集会(於統計数理研究所、於京都大学数理解析研究所、於東京工業大学)等で発表した。また、研究結果が学術論文誌や研究報文集に掲載された。 1.大規模な無制約最小化問題に対するBarzilai-Borwein法に関して研究した。一般に最急降下法は大域的収束はするが局所的に収束が非常に遅くなるという問題点をもっている。こうした問題点を解決する試みの一つとして近年、Barzilai-Borwein法が注目されている。本研究では、彼らの解法を拡張した数値解法を提案した。具体的には、狭義凸2次関数最小化問題に対する拡張Barzilai-Borwein法を提案しその大域的収束性を証明するとともに局所的超1次収束性を示した。さらに提案したアルゴリズムの有効性を検証するために数値実験比較を行った。また昨年度に引き続いて共役勾配法についても研究を行った。通常は2項の共役勾配法が扱われることが多いが、我々は3項の共役勾配法についても収束性について検討した。 2.昨年に引き続き、大規模な無制約最小化問題を解くための記憶制限準ニュートン法を開発し、これを制約条件付き最小化問題に対する主双対内点法に組み込むことを試みた。 3.非線形半正定値計画問題に対する主双対内点法について研究した。まず主双対変数に関するメリット関数を提案した。このメリット関数は主バリア・ペナルティ関数と主双対バリア関数から成るもので、バリアKKT条件から得られるニュートン方向がこのメリット関数の降下方向になることを示すとともに直線探索法の枠組みで主双対内点法の大域的収束性を証明した。さらに、数値実験を通じて提案したアルゴリズムの有効性を検証した。
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