研究課題
実際の工学設計の問題では目的関数が設計変数の陽な関数として表すことができず、設計変数の値を決めたとき、構造解析、熱解析、流体解析、振動解析等の解析やその他のコンピュータシミュレーションあるいは模型試作によって初めて目的関数の値が求まることが多い。このような目的関数に対する最適化を本研究ではブラックボックス目的関数最適化と呼んでいる。通常、解析等のシミュレーションや模型試作によって未知目的関数の値を求めるには多大のコスト及び時間を要する。そこで本研究では、計算知能の技術を用いていくつかのサンプル点から目的関数の形を学習させ、予測された目的関数に対して最適化を行い最適解を予測するという繰り返しによって解を求める方法を提案し、実用化を目指したシステムとして構築するとともに実際の問題への適用を行うことを目的としている。本年度は未知目的関数の予測にRBF(Radial Basis Function)ネットワークやSVM(Support Vector Machine)を用い、いかに少ないサンプル数で精度の良い近似最適解を得るかについて考察を行い、いくつかの手法を提案するとともに既存の他の方法との性能比較を行った。これまでよく使われてきている応答曲面法は実験計画法に基づいてサンプル点の取り方を決めているが、応答値の変化を見てサンプル点を決めるという発想ではないため、応答曲面の変化が激しい非線形性をもつ目的関数にはうまく対応できないことも多い。本研究によって提案された方法ではこのような非線形性の強い目的関数に対してはとくにその効力を発揮することが明らかになっている。本年度において、汎用性を考えたコンピュータプログラムを作成し、斜張橋補強への応用として、実データに基づく数値実験を行い、本手法が有効であることを検証した。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
土木学会論文集 752/I-66
ページ: 227-237
Proc.of European Congress on Computational Methods in Applied Sciences and Engineering (ECCOMAS2004) (CD-ROM)
Proc.of 17-th International Conf.on Multiple Criteria Decision Making (CD-ROM)
Proc.of third China-Japan-Korea Joint Symposium on Optimization of Structural and Mechanical System
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Computational Management Sciences 3
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