研究概要 |
研究代表者が7台所有する地震計と同一の地震計1台を購入し,それらの同時測定結果の検討により,他の地震計と同等の性能を有することを確認した.一般化TRマトリックス法による表面波モード探索アルゴリズムを改良し,安定かつ高速に分散曲線および水平/上下(H/V)スペクトル比を求められるようになった.また,各モードの地表微動への寄与を表すメディアムレスポンスの計算を可能とし,振動数に関するそれらの成分比の変動がきわめて著しいことを示した. 2004年8月の世界地震工学会議に出席し,ヨーロッパにおける微動を用いた地盤構造同定に関する大規模な共同研究(セサミプロジェクト)の情報を収集した.公開されている微動分析プログラムを入手し微動測定結果に適用したところ,研究代表者が用いている計算手法と同等の性能を有することを確認した.また,同プロジェクトで言及されている逆解析アルゴリズムであるNeighborhoodアルゴリズムのプログラム化を行い,シミュレーション結果について表面波分散曲線とH/Vスペクトルの同時逆解析が有効であることを確認し,日本建築学会関東支部研究発表会で発表した. 2004年10月に発生した新潟県中越地震の被害調査を行い,震度6強が観測されたK-net小千谷観測点,JMA小千谷観測点,K-net十日町観測点近傍で予備的に微動測定を行った.そこで得られたH/Vスペクトルピーク振動数はPS検層結果で説明できそうであり,各K-net観測点は小学校および中学校であるため敷地上の制約も小さいことから,これらの観測点が2005年度の微動アレー測定侯補地として相応しいことがわかった.
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