研究概要 |
HCT116p53(+/+)(vector control)とp53(-/-)細胞を、Johns Hopkins大学Vogelstein博士から、分与してもらい、これらの細胞を、FACS(Epics Elite ; Beckman Coulter, Fullerton CA)で、細胞周期のどの時期にあるかによりsortingした。 一度に行う操作は、10^8個の細胞をIsoton(Beckman Coulter)に懸濁して、毎秒500個の割合で注入。蛍光強度別にsortingする。蛍光強度の高いほうのピークをG1とし、S期分画について、横軸(蛍光強度)を二等分し、その前半および後半をS期の前半および後半の細胞として分取した。それぞれ一度に10^5個ほど採取することができた。そのDNA(それぞれ500ng)を抽出して、affimetrixmicroarray装置の、100K chipでゲノムワイドに検討するため、それぞれにつきXbaI,HindIIIで制限酵素消化した。これらを、hybridizationして、そのcall(100SNP data)をdownloadした。 一方、スタート細胞を10^6個から出発し前半部位のみとり、genome-wide amplification kitを用いてできるだけ均等に増幅したDNAを、Filgen社製のexpression DNA arrayとhybridizationを行った。 これらのdataを数値的にallele dosageを推定するソフトウェアで変換後、p53のknock outにより、複製タイミングがゲノムワイドにどのようにかわるかを検討していく。 その結果、バンド境界領域は、癌化と密接に関連したゲノム不安定化領域に対応しており、癌をはじめとする多因子疾患の発症の分子機構を解明していくうえで、重要なゲノム領域であることが示唆された。
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