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2004 年度 実績報告書

「ジスルフィドプロテオーム」による植物レドックス制御の包括的な解析

研究課題

研究課題/領域番号 16510151
研究機関独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構

研究代表者

矢野 裕之  独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 中央農業総合研究センター・北陸地域基盤研究部, 主任研究官 (20355580)

キーワードチオレドキシン / レドックス / ジスルフィドプロテオーム / イネ / 発芽
研究概要

本年度は研究代表者が開発した「ジスルフィドプロテオーム」により、イネ種子発芽における新規レドックス機構の解析を行い、新しいレドックスモデルを確立した。アリューロン層にあるチオレドキシンをNADPHとE.coliNTRにより活性化し、in vitroでendogenousなチオレドキシンのターゲット解析を行った。活性チオレドキシン存在下でESP(embryo-specific protein)のスポットが消失し、システインプロテアーゼの阻害剤であるロイペプチン存在下でスポットが復活したことから、チオレドキシンがシステインプロテアーゼを活性化し、これがESPを分解したと考えられる。また、チオレドキシンとロイペプチン存在下でESPが蛍光検出されたことから、チオレドキシンがESPのジスルフィドを還元し、分解されやすくした(アンフォールド)と示唆された。in vivo(種子発芽環境下)で同じレドックス反応が起こることを確認し、仮説を裏付けた。以上の結果から、チオレオドキシンは発芽の際にシステインプロテアーゼを活性化し、同時にその基質であるESPをアンフォールドすることで効率的に分解すると考えられる。アリューロン層に多いESPは貯蔵蛋白質にアミノ酸配列相同性が低くシステイン量が多いため(16S-S/392アミノ酸)、機能蛋白質の可能性が高い。また、発芽後に合成されカルシウム存在下でチオレドキシンにより活性化されるセリンプロテアーゼ(チオカルシン)により、種子発芽時に貯蔵蛋白質が消化されることが報告されている。チオレドキシンは、複数の基質が異なるプロテアーゼを段階的に活性化することで種子発芽時に蛋白質分解のファインチューニングを行うことが示唆された。本研究成果はProteomicsに投稿中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 「ジスルフィドプロテオーム」によるレドックス蛋白質の機能解析2004

    • 著者名/発表者名
      矢野, 裕之
    • 雑誌名

      化学と生物 42

      ページ: 585-590

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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