研究課題/領域番号 |
16510156
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
北島 満里子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 講師 (60195261)
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研究分担者 |
高山 廣光 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90171561)
矢野 眞吾 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90009655)
中村 智徳 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (30251151)
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キーワード | マナン科 / Gelsemium elegans / Gelsemium sempervirens / アルカロイド / 細胞毒性 / 抗腫瘍活性 / 2-アシルインドール / Gelsedine |
研究概要 |
マチン科ゲルセミウム属植物は、有毒植物として知られ、複雑で歪みのかかったインドール・オキシインドールアルカロイド類を多数含有している。これらゲルセミウムアルカロイドをシード化合物とした新規抗腫瘍薬の発見と開発のための基礎的研究として以下の研究を行った。 1.G.elegans、G.Sempervirensの詳細な成分探索を行い、G.elegansよりGelsedine型新規アルカロイド4種を単離した。また、G.sempervirensからは、サルパギン型アルカロイド6種、ヨヒンバン型アルカロイド2種を単離した。新規サルパギン型化合物GS-6、GS-7、GS-8、GS-9はスペクトルの解析によりN_bにメチル基を有する2-アシルインドール誘導体と推定した。これら化合物のUV、NMR測定においては特異な現象が観測され、溶解する溶媒によって2種の構造、すなわち、非プロトン性溶媒中ではサルパギン骨格のC/D環が開環し、プロトン性溶媒中では閉環した構造を取ることが推定された。GS-8については既知アルカロイド16-Epi-Voacarpineより化学変換することによりその構造を決定した。新規ヨヒンバン型アルカロイドGS-5は、トリプタミンより全合成しその構造を確認した。さらに、G.elegansより通常のGelsemiumアルカロイドにもう一分子のモノテルペンが結合したと予想される化合物を単離し、構造解析を進めている。 2.新規化合物を含む13種のアルカロイドについて、ヒト表皮がん細胞A431を用いた細胞毒性の評価を行った。その結果、Gelsedine型のGelsenicine、新規化合物14-Acetoxygelsenicine、14,15-DihydroxygelsenicineとGelsemine型のGelsemineに皮膚がんの治療薬アドリアマイシンと比較して顕著な活性が認められた。 3.上記の評価により活性が認められたGelsedine型アルカロイドの全合成研究を開始した。
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