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2006 年度 実績報告書

UV-Bダメージにより植物から遊離される生態系有用生物の忌避物質の探索

研究課題

研究課題/領域番号 16510165
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

小瀬村 誠治  慶應義塾大学, 法学部, 教授 (70231313)

キーワードUV-B / UV-Bダメージ / ミミズ / 忌避物質 / トウモロコシ / オゾン層
研究概要

ミミズは、畑や林の土地を良い状態に保つのになくてはならない重要な生物である。つまり、ミミズは農業や人類の栄養-ひいては人類の繁栄という観点からも重要な生物である。近年、オゾン層の破壊など気圏環境の劣化による地表での紫外線放射量の増加が問題となっており、植物細胞への影響に関連した研究も盛んに報告されるようになった。しかし、その報告の多くは植物の生理、形態学的な研究である。報告者は、紫外線放射量(特に、UV-B)の増加によりダメージを受けた植物組織から遊離される化学物質がミミズに与える忌避作用とそれに伴う生態系への影響について研究を行ってきた。
平成18年度は、17年度と同様、トウモロコシから単離した忌避物質ヒドロキサム酸について、自然に近い環境条件下におけるミミズの忌避行動を検討する予定だった。しかし、諸問題が発生したため、この条件下におけるミミズの忌避行動の実験は計画通りに進めることが出来なかった。17年度、UVBダメージを与えたキャベツの芽生えからミミズの忌避物質として単離した物質をインドールアセトニトリルと推定した。今年度、各種スペクトルの詳細な解析および標品との比較によりキャベツのミミズに対する忌避物質をインドールアセトニトリルであると決定した。現在、忌避活性の強さの確認作業を行っており、自然に近い環境条件下におけるミミズの忌避行動も観察する予定である。
ミミズがその数を減らすということは、農耕用の土地に限らず肥沃な土地の減少を意味しており、この研究は紫外線放射量の増加により生態系に与える悪影響の新しい側面を明らかにできるものと考えている。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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