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2005 年度 実績報告書

小胞性グルタミン酸トランスポーター活性制御物質の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16510174
研究機関(財)サントリー生物有機科学研究所

研究代表者

島本 啓子  (財)サントリー生物有機科学研究所, 主席研究員 (70235638)

キーワードグルタミン酸 / トランスポーター / シナプス小胞 / 阻害剤 / trans-ACPD
研究概要

グルタミン酸は哺乳動物の中枢系での代表的な神経伝達物質として記憶や学習など高次の脳機能を司っている。グルタミン酸作動性神経終末にはグルタミン酸を貯蔵したシナプス小胞が集まっている。細胞内でのグルタミン酸の輸送・濃縮を担うのが小胞性グルタミン酸トランスポーター(Vesicular Glutamate Transporter ; VGLUT)であり、2000年にクローニングにより実体が明らかにされた。これまでに4-methylglutamic acidやtrans-ACPDがVGLUT阻害活性を持つことが明らかになっている。しかしこれらの化合物はグルタミン酸受容体やシナプス性グルタミン酸トランスポーター(EAAT)にも活性を持つ。また、細胞内で作用するためには、細胞膜を透過する必要がある。我々はVGLUT選択性の向上・活性強度の向上・細胞膜透過性の向上の三点を目標として、traps-ACPD誘導体を合成することを試みた。今年度はtrans-ACPDの五員環上に置換基を導入することで活性の向上を目指すこととした。まず置換基の位置と立体配置を知るために、5S体、5R体、4S体、4R体の4種のメチル誘導体を合成することとした。合成経路はL-セリンを出発物質とし、Hornar-Emons反応で必要な炭素鎖を延長し、カルベンの分子内挿入反応を鍵として五員環を構築した。得られた誘導体のうち5R体が単離したシナプス小胞へのグルタミン酸取り込み阻害活性を維持していた。活性はtrans-ACPDよりやや弱いものの、この位置の置換基は容認されていると判断した。われわれはEAAT阻害剤において、かさ高い置換基が活性を向上させることを経験しているので、次に水酸基をこの位置に導入しエーテル化により様々な置換基を導入することとした。現在ベンジルエーテル体を合成し活性を測定中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Effects of a novel glutamate transporter blocker, (2S, 3S)-3-{3-[4-(trifluoromethyl)benzoylamino]benzyloxy}aspartate (TFB-TBOA), on activities of hippocampal neurons.2005

    • 著者名/発表者名
      S.Tsukada
    • 雑誌名

      Neuropharmacology 48

      ページ: 479-491

  • [雑誌論文] A Novel L-glutamate transporter inhibitor reveals endogenous D-aspartate homeostasis in rat pheochromocytoma MPT1 cells.2005

    • 著者名/発表者名
      H.Koyama
    • 雑誌名

      Life Sciences 76

      ページ: 2933-2944

  • [雑誌論文] Role of glutamine and neuronal glutamate uptake in glutamate homeostasis and synthesis during vesicular release in cultured glutamatergic neurons.2005

    • 著者名/発表者名
      H.S.Waagepetersen
    • 雑誌名

      Neurochemistry International 47

      ページ: 92-102

  • [雑誌論文] Sulfhydryl modification of cysteine mutants of a neuronal glutamate transporter reveals an inverse relationship between sodium dependent conformational changes and the glutamate-gated anion conductance2005

    • 著者名/発表者名
      L.Shachnai
    • 雑誌名

      Neuropharmacology 49

      ページ: 862-871

  • [雑誌論文] 興奮性神経伝達の恒常性維持-グルタミン酸トランスポーターの役割解明を目指して.2005

    • 著者名/発表者名
      島本 啓子
    • 雑誌名

      神経研究の進歩 49

      ページ: 850-854

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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