研究課題
基盤研究(C)
日本アルプスの頚城山脈、飛騨山脈および赤石山脈において、環境省および文化庁の許可を得てニホンライチョウから血液を採取した。栄養状態や羽毛状態に著変は認められず、すべて健常個体であると診断された。血液塗抹染色標本を光学顕微鏡下で観察したところ、78.1%(57/73個体)にLeucocytozoon sp.の感染を認めたが、他の血液原虫感染は認めなかった。検出された原虫の形態および計測値から、大陸産のライチョウに確認されているL.lovatiと同種であると判定した。感染率に性差は認めなかった。本血液原虫の血中出現率は、春から夏にかけて上昇し、夏から秋にかけて低下する傾向が観察された。ほとんどの地域個体群にロイコチトゾーン感染が確認されたが、常念岳および前常念岳の個体群には感染を認めなかった。L.lovatiのmtDNA cytb領域を解析し、各地域個体群間および他の鳥種間で塩基配列の相同性を比較検討した。南北アルプスのライチョウ間では差が認められなかったが、他の野鳥寄生のLeucocytozoon spp.との間では差が認められた。L.lovatiを媒介していると考えられる吸血昆虫を調査した。調査山域でアシマダラブユおよびウチダツノマユブユ等の生息を確認した。PCR法によりブユ体内からL.lovatiと100%相同の遺伝子断片が増幅された。このことから、L.lovatiの媒介昆虫はブユであることが強く示唆された。本研究で得られた数々の知見は、ニホンライチョウを保全する上で有用であると考える
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