研究課題
移民社会の重要性が指摘されている他の地域でこれまで調査を行っていなかった地域のうち、プエルトリコ人市長を選出し、プエルトリコ人の割合の高いコネチカットのハートフォード市、市の単位で全米でプエルトリコ人の割合が最も高いマサチュセッツ州ホリョーク市を調査した。その結果、ハートフォードでは商業組合がプエルトリコ人・ラテン系コミュニティの町づくりに取り組み、その中心地区に女性たちを支援するNPOなどがコミュニティへのさまざまな福祉サービスを提供している実態が把握できた。また、マサチュセッツ州ホリヨーク市では、急激に移民人口が増加するなか、青少年の非行問題、教育の問題に取り組んできた女性活動家がコミュニティ活動の中心を担っていることが判明した。また、前年度に実施したフロリダ州オーランド地区への調査も実施した。2006年初頭にプエルトリコで生じた政府活動が一時マヒ状態になったのを受け、多くの学校教師などが数週間で何十万とオーランドへ移動した実情、そこから派生するさまざまな問題点などが把握できた。急激なプエルトリコ人増加を受け、行政、メディア、学校など赤対応に追われている実態が行政側で働くプエルトリコ人女性郡長補佐官より語られ、有意義であった。また、プエルトリコ人移民の最初の目的地であったハワイでも調査を実施し、ハワイのプエルトリコ人に関する研究論文を著わしたノーマ・カー氏に農業プランテーションでのプエルトリコ人移民調査などの話を聞き、その調査の記録性の重要性を実感した。また、ハワイ島では、教師退職女性がプエルトリ;コ人コミュニティ活動を行なっていることが判明した。またハワイ日系人とプエルトリコ人のプランテーションでの関係などの聞き取り調査にも着手した。これらの調査で、地域ごとの移民の歴史および移民形態の相違のために、移民たちの政治的動向、女性の役割などにも地域の独自性がでていることが把握でき有意義であった。
すべて 2007
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Liberal Arts, Center for Liberal Arts Education and Reseach, Iwate prefectural University,January 2007 No.1
ページ: 43-51