研究概要 |
本年度は「生殖年齢(Reproductive age)にある女性の身体に関する知恵についての横断研究」を行うための予備調査として、東京近郊に住む生殖年齢の女性を対象とした、女性の身体の知恵に関する質的調査を行った。 目的:現在生殖年齢(15-49歳)にある女性は、月経、セックス、妊娠、出産といったリプロダクティブヘルスに関する情報を誰からどのように得てきたのかを明らかにすることをめざす。異なる属性集団を対象とした個別に時間をかけたインタビューを通じて、質的なデータを収集する。 対象:インタビューの対象者は生殖年齢(15-49歳)にある女性である。社会的属性により次の3グループに分類し、インタビュー対象者を選択する。 (1)都内の女子大生:妊娠・出産経験なし、10代後半〜20代前半 (2)小平市子ども家庭支援センターを利用する女性:妊娠・出産経験あり、20代〜30歳前後 (3)子育てを終えた女性:妊娠・出産経験あり/なし、40歳前後 方法:各グループ6名に対して、個別に時間をかけたインタビューを行った。インタビュアーには、質的データ収集に関する研修をおこない、スーパービジョンを行った。調査項目は女性の身体感覚,女性性への受け止め方、世代の異なる女性からの知恵の伝承、医療機関の使い方、月経、出産に関する考え方などである。 結果:現代の生殖年齢にある女性は、身体に関することの知識をほとんど医療機関、および医療関係情報から得ており、自らの母親や家族からの直接の「知恵」が現実の身体状況と結びつけて考えられることはほとんどなかった。この質的調査を基礎として、横断研究に用いる質問票を作成している。
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