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2005 年度 実績報告書

アリストテレスの「エネルゲイア」概念の形而上学における現代的意義の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16520007
研究機関千葉大学

研究代表者

高橋 久一郎  千葉大学, 文学部, 教授 (60197134)

キーワードエネルゲイア energeia / 本質 essence / 機能 function / 規範性 nornativity / 合理性 rationality / 形而上学 metaphysics / 付随性 supervenience / 性向 hexis
研究概要

昨年度は『アリストテレス-何が人間の行為を説明するのか?』(NHK出版)を公刊するために、図らずも、前回・および前々回の科学研究費補助金による研究の再確認の作業をすることとなり、今年度はまず、それをうけて、いわば「落ち穂拾い」として「行為の説明と理解のために、なぜ「意図」が必要なのか?」を公表した。
提出した論点は、第一に、明示的には、一般に動物の行動をも含めた行為の説明と理解については、因果性だけでなく合理性という概念を核としていることは今や常識だが、倫理性が問われる「人間の行為」においては、その都度の行動・行為の「目的-手段」に関わる合理性だけでなく、「目的」そのものの合理性を問うという仕方で、さらに強力な「規範性」概念が不可欠であること、第二に、示唆的に、こうした「規範性」は、存在論的・形而上学的には物理的自然に依存するとしても、極めて緩やかな制約しかうけておらず、たかだか、われわれが理解と説明のための制約として課す「付随性」関係でしかない可能性があること、つまり、ほとんど「独立」していることであった。
そのうえで今年度はまた、この確認の上に、あるいはむしろ、こうしたあり方を支える物理的自然についての形而上学についての予備的考察を、一方では、『ニコマコス倫理学』における「徳」を「性向」というカテゴリーのもとで理解する当枠組みの再検討を通じて、他方では、アリストテレスの認識論に関する主要著作である『分析論後書』のテキスト読解を中心におこなった。来年度の作業を加えつつ、前者については、来年度夏の「ギリシア哲学セミナー」の招待講演で、後者については、成果報告書で論ずる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 2004年度共同討議「倫理学の現実(リアリティ)」-暫定総括2006

    • 著者名/発表者名
      高橋 久一郎
    • 雑誌名

      倫理学年報 55集(印刷中)

  • [雑誌論文] 行為の説明と理解のために、なぜ「意図」が必要なのか?2005

    • 著者名/発表者名
      高橋 久一郎
    • 雑誌名

      人工知能学会誌 20巻・4号

      ページ: 361-369

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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