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2006 年度 実績報告書

アリストテレスの「エネルゲイア」概念の形而上学における現代的意義の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16520007
研究機関千葉大学

研究代表者

高橋 久一郎  千葉大学, 文学部, 教授 (60197134)

キーワードエネルゲイア energeia / 性向 hexis / 表象 representation / 記憶 memory / 感情 emotion / 中庸 moderation / 意図 intention / 規範性 normativity
研究概要

本研究は、二度にわたる科学研究費補助金に基づく「エネルゲイア」概念の「行為論」「心の哲学」における意義の研究を承けて、宇宙論・目的論的場面でのエネルゲイアの「形而上学」における意義を検討するものとして企図されたが、その前段階としての、「感覚」というエネルゲイアと「思惟」というエネルゲイアの狭間にある広い意味での「表象」、なかでも「感情」、そして行為において「徳性」の問題として語られる「性向」の存在論(形而上学)的意義を検討することになった。
前段階としての「性向」を改めて検討することになった理由は、アリストテレスの「エネルゲイア」概念は、それによって何ごとかを説明するための概念というよりも、説明を「そこで打ち切る」ための概念枠組みといったところがあることにある。言い換えれば、ある意味ではすでに何度か指摘したことだが、それぞれのものがそのエネルゲイアに辿りつくことが「変化」ではなく、当のものの「固有のあり方」のいわば「回復」として構想されているため、「エネルゲイア」についての実質的な議論は「性向」を論ずる中でなされていることである。
今回検討した記憶・感情・中庸としての徳性についてのアリストテレスの議論は、現代的な言い方をすれば、その「自然科学的」基盤について綿密に確認した上で、自然科学的な法則性とは必ずしも相性のよくはない「規範性」にっいて、広い意味での「自然主義的」位置づけを何とか試みようとしているということになる。
今回踏み込まなかった宇宙論・目的論的場面におけるエネルゲイア論は、性向論を前提として、ある意味で、まさに変化のない場面でのエネルゲイアが問題となっている、この領域でのエネルゲイア概念の「形而上学」的な意義の検討については、平成19年度からの「アリストテレスの「エネルゲイア」概念の形而上学における現代的意義の研究II」で行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] アリストテレスの中庸論はどれほどバカげているのか?2007

    • 著者名/発表者名
      高橋 久一郎
    • 雑誌名

      ギリシア哲学セミナー 5

      ページ: 1-22

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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