研究課題
基盤研究(C)
研究代表者藤澤は、プラトン初期の政治思想を、『弁明』『クリト』『ゴルギアス』および『第七書簡』等からさぐり、プラトンの哲人王の理念がすでに初期の段階に萌芽していることを指摘した。さらに中期における政治思想の集大成である『国家』に論述を進めることはできなかったが、後期の作品『ポリティコス』に研究を進め、プラトン政治思想の展開を以下の順序でまとめた。(1)宇宙における人間の位置、(2)政治家ないし王のもつべき知識の特性、(3)パラデイグマのパラデイグマ、(4)パラデイグマとしての機織術、(5)パラデイグマの成果によって政治家を見る、(6)プラトンによる国制論、(7)唯一正しい国制とその模倣、(8)法律の限界と効用、(9)政治術の核心に向けて。研究分担者の斉藤はアリストテレス『政治学』第3巻と第4巻における国制論の差異を解明した。第3巻はプラトンの『ポリティコス』及び『法律』に従っており独創性はない。しかし、第4巻では、6つの国制の各々に多数の亜種を確定し、さらに、その多数性の根拠が最高権力に参与する社会的・経済的諸階層の相違にあることを解明している。以上の分析に基づき、プラトン国制論の理論的な受容と批判の概要を次のように展望することができる。アリストテレスは第4巻で現実的に最善な国制たる混合国制を提起するが、すでにプラトンが『ノモイ』で混合国制論を提示している。アリストテレスは探究目標の条件設定を受容しこれを独自の視点から探究した。
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すべて 雑誌論文 (10件)
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