研究課題
構成主義的な哲学的意味理論の構築に向けて、主として二つの観点から研究を進め、それぞれ一定の知見を得た。その一つは、この意味理論の形式的枠組みの候補とみなせる直観主義タイプ理論(Intuitionistic Type Theory)についての検討であり、もう一つはこの意味理論と親和的な真理論としての照応理論(Anaphoric Theory of Truth)をめぐる考察である。まず、直観主義的タイプ理論が、構成主義的な哲学的意味理論の範型となりうることは、これまで、述語論理の言語および数学の言語について示されてきた。しかし、タイプ理論が自然言語を含む言語一般をどのように扱いうるかは必ずしも明らかではなかった。そこで、自然言語における実質的推論(material inference)に焦点を当て、それらをタイプ理論の枠組みに収容する可能性について議論した。その過程で意味理論がもつ形而上学的な関わりについての知見が得られた。また、真理に関する照応理論は、しばしば収縮主義的な(deflationary)真理論の一種とみなされるが、それは必ずしも明らかなことではない。収縮主義においては、「A」が真であるのはAのときそしてそのときに限る、という図式こそが基本的であり、この図式から真理概念のもつすべての特徴が導かれるとされる。しかしながら照応理論において、この図式は、真理述語の持つ代用文形成の働きに基づいて正当化されうるものである。したがって、代用文形成という機能にどのような実質的内容を賦与できるかが問われることになる。この問いにたいして、構成主義的意味理論の観点から図式の実質的内容を特徴付けられるという見込みが示された。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
Annals of the Japan Association for Philosophy of Science Vol.14,No.2
ページ: 41-49
滋賀大学教育学部紀要(II:人文科学・社会科学) No.55
ページ: 27-32