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2004 年度 実績報告書

中国六朝時代の社会不安と終末観の形成に関する比較思想史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16520038
研究機関桜花学園大学

研究代表者

菊地 章太  桜花学園大学, 人文学部, 助教授 (40231279)

キーワード中国 / 六朝時代 / 比較思想史 / 終末思想 / 敦煌写本
研究概要

中国六朝時代(西暦5〜6世紀)には、王朝が頻繁に交代する社会不安に満ちた時代状況の中で、共通する危機感から生まれた儒教の讖緯思想と仏教の劫災思想とが混淆し、これらに影響されつつ道教の終末思想が形成された。本研究は、そのような終末思想を構成するいくつかの要素を比較思想史的に検討し、その形成過程と社会不安との関係を明らかにすることを目的とする。この作業を通じて、今日的な社会不安と宗教問題を考える手がかりを模索したい。そのために、3年間の研究期間内において、敦煌写本によって知られる道教経典を直接の研究対象とし、語彙および思想の各レベルにおいて儒教の讖緯文献や漢訳仏教経典との比較検討を試み、問題の解明に向けての文献的基礎の構築をめざしている。
本年度は、5世紀はじめに成立したと思われる『洞淵神呪経』巻一「誓魔品」を取りあげた。この経典は、終末の世における災害の勃発を社会や個人の堕落の結果として認識しており、儒教の讖緯文献からの影響が考えられる。また、個々の災害の描写については漢訳阿含経典からの借用が顕著である。このような大災害の予言的な記述における讖緯文献や阿含経典との共通性や影響関係に注目しつつ、『洞淵神呪経』写本の翻刻・校訂(パリ国立図書館所蔵敦煌写本ペリオ3233番を底本とし、ペリオ2576番紙背ならびに大英図書館所蔵敦煌写本スタイン3786番をもって対校)を行ない、これをもとに現代語訳を作成した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Essai comparatif sur les pensees eschatologiques en Chine medievale2005

    • 著者名/発表者名
      菊地, 章太
    • 雑誌名

      桜花学園大学人文学部研究紀要 7号

      ページ: 161-167

  • [雑誌論文] 世の転変と戒律遵守-『般涅槃後比丘世変経』の成立をめぐって2005

    • 著者名/発表者名
      菊地, 章太
    • 雑誌名

      敦煌吐魯番研究 1号(未定)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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