研究課題/領域番号 |
16520040
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研究機関 | 花園大学 |
研究代表者 |
中島 志郎 花園大学, 文学部, 教授 (40268123)
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研究分担者 |
衣川 賢次 花園大学, 文学部, 教授 (20161523)
西口 芳男 花園大学, 文学部, 講師
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キーワード | 荷澤神會 / 『南陽和上直了性壇語』 / 初期南宗禅 / 『南宗五更点』 / 楊曾文編校『神會和尚禅話録』 / 中国禅宗 / 北宗禅 / 荷澤宗 |
研究概要 |
共同研究初年度の本年は、『神会語録』(楊曾文編校『神會和尚禅話録』中華書局底本)のデーター入力を精力的に行った。その結果、『南陽和上直了性壇語』(以下『壇語』)という文献を入力し終え、これに基づき、同書『一字索引』も一応の完成を見た。特に中島は北京を訪問することができ、中国における最新の仏教研究動向を把握することができた。所見では博士論文を中心に近年とみに、優れた研究成果が公表されており、斯学の充実が推測できる。しかし、問題意識や研究水準の先端性という点では、当方が自信を深める点も多々感得できた。またこれをふまえて内外の先行研究論文目録も作成できた。 一方、中島志郎、衣川賢次、西口芳男の研究員、及び研究協力者三名(吉田剛、松岡由香子、北畠利信)による『壇語』の注釈的研究については月に一、二度の頻度で各自が分担した注釈試案を提出し、検討会を重ねることができた。検討会での討議を経た注釈原稿は西口芳男が取りまとめの労をとり、『壇語』の研究については最終稿の段階にまでこぎつけた。本研究の第一段階として概ね計画通りに進展していると云える。 また研究員による本研究に関連する論文発表としては、中島志郎「禅学試論-神會を手がかりに-」(『禅学研究-小林円照教授退官特別号-』2005年夏刊行予定)、共同研究員衣川賢次「『南宗五更点』の注釈的研究」(『禅学研究』同上号)を得ることができた。中島論文は、神曾の初期南宗禅における思想的な意義を考え、中国禅宗の思想的系譜の再検討を問題提起した。衣川論文は神曾と密接な関連のある初期の禅文献『南宗五更点』を文献考証的手法で注釈した研究である。
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