研究課題/領域番号 |
16520041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
細田 典明 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (00181503)
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研究分担者 |
藤井 教公 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70238525)
吉水 清孝 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (20271835)
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キーワード | ウパニシャッド / 原始仏教 / ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッド / 雑阿含経 / 禅定 / 瞑想 / サンスクリット阿含経 / 禅観経典 |
研究概要 |
1.古ウパニシャッドにおける瞑想 研究代表者はブラーフマナからウパニシャッドにおける「念想(upasana)」を中心に、特にプルシャとアートマンを念想の対象とする箇所の内容を解析し、内面化の問題を「個我に関して(adhyatmam)」と「神格に関して(adhidaivatam)」の対応関係から検討した。次に、古ウパニシャッドにおける瞑想において考察対象となったウパニシャッドの聖句が、ヴェーダーンタ学派を中心としてどのように解釈されているのかという問題について、これらのウパニシャッドの聖句の意義内容を研究分担者とともに検討した。 2.原始仏教における禅定 研究代表者は原始仏教に説かれる様々な禅定の体系の中で、特に三十七菩提分法を中心に考察を進めるとともに、サンスクリット・パーリ・漢訳の語彙を整理した。次に、禅定に関わる漢訳経典について、特に成立の古い安世高訳等の初期の禅観経典を阿含・ニカーヤの内容と比較し、これらの禅観経典の内容が阿含・ニカーヤの古層部分に関わることを検討した。しかし、これらの禅観経典の解読はきわめて難解であり、研究分担者とともに語彙の整理と内容の精査を行った。 3.瞑想・禅定に関わる比喩の問題 古ウパニシャッドの瞑想がアートマンの観想にあり、原始仏教における禅定が無我の覚りにあるとすれば、両者の目的は全く相反することになるが、瞑想・禅定の過程における比喩には、しばしば共通する内容が見られる。その一例として蛭(jalayuka)の比喩について英文で公表し、識(vijnana)の問題が古ウパニシャッドにも原始仏教にも深く関わり、仏教ではアビダルマから唯識に至るまで問題となることを検討した。
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