研究課題
本年度は、昨年度に引き続き、デュフレノワの『絵画の芸術について』の詳解を継続した。と同時に、それに付けられたド・ピールの註を、とりわけド・ピールの『絵画原理講義』(1708年)と比較し、それが色彩派的な議論、さらには純粋視覚性にも通ずる議論へと、どのように移行したのかを見た。また『絵画原理講義』を吟味することによって、アカデミー的な教条性と、新しい近代的な美意識とがどのように折り合いを付けられているかが解明された。と同時に、それのイギリスへの受容も、昨年度同様継続した。特にイギリス・アカデミー初代会長、レノルズによる注解は重要であり、それと彼の主著『美術講義』(1769-90年)を比較した。そのことによって、フランス古典主義の絵画理論が、イギリスのシヴィック・ヒューマニズムから、ロマン主義的な傾きさえ含む絵画理論の中でどのように受容・変容されたのかを明らかにした。その結果、古典主義的な絵画理論の様々な射程をいっそう示し、その限界も明らかになってきた。
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教養学部報 490
ページ: 6
Gender and Landscapes : Renegotiating Morality and Space (New York : Routledge)(Lorraine Dowler, Josephine Carubia, Bonj Szczygiel(eds.))
ページ: 56-74
教養学部報 483
ページ: 4
日本18世紀学会年報 20
ページ: 97-98
ページ: 98-100
ページ: 100-101