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2005 年度 実績報告書

仏像制作者名の伝承と「名付け」をめぐる研究

研究課題

研究課題/領域番号 16520077
研究機関京都大学

研究代表者

根立 研介  京都大学, 文学研究科, 教授 (10303794)

キーワード仏師伝承 / 運慶 / 快慶 / 慶派仏師 / 院派仏師 / 院吉 / 院信
研究概要

本年度の研究実績としては、まず昨年度に続き研究の基礎データとなる文献史料の収集を行った。内容は、昨年度からの継続作業である、京都に関わる近世地誌類から、仏像制作者に関わる記事を抜き出し、それをコンピュータに入力する作業に進め、新修京都叢書に収録されている『都銘所図絵」その他の文献に掲載されている関連記事の入力をほぼ終了することができた。さらに、今年度からは、『新編鎌倉志』と『鎌倉攬勝考』という鎌倉地方の地誌類における仏師に関わる情報の収集に一部着手した。次に現地調査であるが、運慶、快慶等慶派伝承作例の確認作業を京都及びその周辺で進めるとともに、1235年銘の願文が納入されていた京都(北区)・清水寺阿弥陀如来像、奈良市興福寺食堂千手観音像(主に納入品)、1242年銘の定慶作兵庫・石龕寺金剛力士像、天福年間(1233,4)の年紀のある納入品を納める広島・耕三寺阿弥陀如来像などの慶派作品や、1352年の院吉等院派仏師が関わったことを示す造像銘がある静岡・方広寺釈迦三尊像の調査を行った。なお、院派仏師については、京都・東福寺の塔頭、一華院で調査した白衣観音像も注目される存在である。すなわち、この像には、「院信法印」を作者名とする銘文があるが、これは後銘で、南北朝時代に東福寺仏殿大仏を再興造像したと伝えられる院信を仏師名として書したものとみられる。数少ない院派仏師の作者伝承に関わる遺品として注目されるが、この像は作風からすると院派仏師の手になることが想定される点も興味深い。また、海外調査としては、塑像工人、画工などの伝承と資料が遺る敦煌莫高窟を訪れ、工人関係の資料収集を行い、これらの工人達の手になる塑像及び壁画を実見した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 仏師の世界2006

    • 著者名/発表者名
      根立 研介
    • 雑誌名

      列島の古代史5 専門技能と技術

      ページ: 129-164

  • [雑誌論文] 「頂相彫刻」再考-肖似性と理想化の問題を中心にして-2005

    • 著者名/発表者名
      根立 研介
    • 雑誌名

      國華 1321

      ページ: 3-15

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 歴史教科書と美術工芸品の図版をめぐって2005

    • 著者名/発表者名
      根立 研介
    • 雑誌名

      美術フォーラム21 12

      ページ: 141-146

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 院政期の僧綱仏師をめぐる仏像制作の場-仏師賢円を中心にして-2005

    • 著者名/発表者名
      根立 研介
    • 雑誌名

      講座日本美術史 第4巻

      ページ: 227-256

  • [雑誌論文] 南都再興造仏における慶派仏師の「中国」美術の受容をめぐって2005

    • 著者名/発表者名
      根立 研介
    • 雑誌名

      講座日本美術史 第2巻

      ページ: 67-99

  • [図書] 『日本彫刻史基礎資料集成 鎌倉時代 造像銘記篇』第4巻2005

    • 著者名/発表者名
      根立研介ほか13人
    • 総ページ数
      238
    • 出版者
      中央公論美術出版

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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