研究課題
ギリシアで現地調査を行った。とくに調査の困難な聖山アトス及びメテオラの修道院群を訪れ、写本を実見するとともに、教会典礼と写本挿絵、聖堂壁画の関係を研究した。これに加えて、テサロニキ、アルタ、ヨアニナでは聖堂壁画(フレスコ、モザイク)の調査撮影を行った。予定していたギリシア国立図書館(アテネ)は閉館中のため、写本調査が不可能であったが、ヴラタドン修道院附属教父学研究所(テサロニキ)では、聖山アトス所蔵の写本のマイクロフィルムを調査することができた。国内では昨年度、及び今年度に取得した写本の内容をデータベース化する作業を継続して行った。その結果、アトス山パンテレイモン修道院所蔵のレクショナリーを制作した写本工房が判明し、挿絵のプログラムとの関係も浮かび上がってきたことが最大の成果である。別途行ったアルメニア、グルジア調査では、12〜14世紀にいたる聖堂建築と壁画を撮影し、とくにグルジアとビザンティン帝国の首都コンスタンティノポリスとの関係の重要性が確認された。グルジア正教の典礼を今後検討する必要がある。また12世紀のグルジア写本挿絵は、ビザンティン写本挿絵の欠落部分を補う要素を持つことが明らかになった。
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Orient 41
ページ: 91-108
『異界の交錯』下巻(リトン)(渡辺和子,細田あや子編)(宗教史学論叢) 10(印刷中)
「生と死」の東西文化史(林雅彦編)(法蔵閣) (印刷中)
地中海学研究 28
ページ: 137-143
地中海研究所紀要 3
ページ: 83-89
早稲田大学大学院文学研究科紀要 50-III
ページ: 51-61