2年目にあたる17年度は、データベースの本格的な作成を開始した。第一段階の対象は個人的に収集してきた20000万冊の文学関係雑誌で、それぞれについて、タイトル、ジャンル、発行所、発行地、編集者、刊行期間、同人、機関所蔵(国会図書館、日本近代文学館等の収蔵状況)などの項目を設定し、研究補助者3名によるデータ入力を行った。フォーマットの作成については、専門家の助言を仰いだ。5月〜10月にデータベースの基盤を構築し、11月から実際の打ち込み作業を開始する、という展開をたどっている。3月現在、ほぼ12000万冊のデータの入力を終えた段階である。このデータベースを出発点に、今後文芸年鑑、出版年鑑のデータを補っていく予定だが、そのための準備として、本年度は出版年鑑の関連データを収集した。昨年度と今年度の収集作業によって、当初予定していた範囲の雑誌データの収集は、ほぼ終了することができた。 今年度の雑誌調査の中で特に力を入れたのは終戦直後(1945〜1949年)の雑誌類で、文学専門雑誌のほか、総合雑誌、婦人雑誌、娯楽雑誌、大衆誌など、広範囲にわたるデータを収集している。特に大衆雑誌は国会図書館等の収蔵状況が思わしくなく、現在作成中のデータベースは、プランゲ文庫のそれと連動させることによって、個々の執筆者の活動や出版文化の具体を知る上で、かなり有効に活用することができるはずである。 なお、今年度も日本近代文学館にて8月25日に資料の取り扱いに関する講義を行い、館の関係者と雑誌データの取り扱い等について懇談した。なお、地方文学館の資料調査に関しては、今年度は姫路文学館を対象に、出張調査を行った。
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