研究課題
基盤研究(C)
予定どおりこれまでの作業の成果として、日本古典偽書叢刊全3巻を刊行することができた。第3巻は前年度3月に刊行されていたが、これに続いて千本が責任編集にあたった第2巻を8月に、また研究協力者である小川豊生(摂南大学教授)が責任編集で、千本が補佐にあたった第1巻を2005年1月に刊行し、これで全3巻が揃った。このことによって注釈を付した形で、代表的な偽書が一覧できることとなり、今後の偽書研究の基礎が固められた。また主要新聞の書評などに取り上げられる(朝日、読売、産経、日経、日本読書新聞)ことによって一般の関心の喚起を得ることができた。東アジアにおける偽書との連関、相違の研究については、千本が秋に研究協力者の小川豊生とともに北京を訪れ、北京大学中国古文献研究センター教授の揚忠氏、中国国家博物館主任研究員の王冠英氏、北京師範大学教授で古籍研究所長の韓格平氏、同教授で中国歴史文献研究会副会長の周少川氏、および同副教授で同研究会副秘書長の〓端全氏の5氏と面談し、中国における偽書の実態と研究の動向について教えを乞うことができた。研究計画書で述べた四季物語については、諸本校合を進めている。また吉田兼好伝の近世的変容について、伊賀種生現地の調査を行い、文献収集に当たった。これらの成果に基づき2005年1月には、千本が金沢文庫において、講演会「徒然草と偽書」と行い、午前午後併せて200名の聴衆に成果を報告した。また、共同研究者の井口洋は柏原市成人大学、奈良県公民館大会などで近世文学の受容について講演を行った。
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平安京文学研究ハンドブック(田中登, 山本登朗編)
ページ: 202-203, 205
別冊国文学 宗教のキーワード集(三木紀人, 山形孝夫編)
ページ: 12-13, 33, 78