本年度の研究は、次の6つを中心として実施した。 (1)仏光寺『御日記』から、香川景樹関係記事を抄出し、景樹「歌日記」(『桂園遺稿』上巻・下巻)ほかの、香川景樹・桂園派関係資料の該当記事と比較対照する。 (2)仏光寺『御日記』の既刊分につき、固有名ほかの事項を抄出して、索引を作成する。 (3)景樹「歌日記」から、固有名ほかの事項を抄出して、索引を作成する。 (4)洛東遺芳館所蔵の近世文書を調査し、本山仏光寺とその関係者とりわけ景樹と柏原家との間を仲立ちした本山仏光寺御堂衆恵岳と柏原家との関係を明らかにする。 (5)桂園派歌人と真宗仏光寺派との関係を、個別の事例に即して検討する。 (6)本山仏光寺所蔵の和歌資料を調査する。 (1)は、弘化2年まで終了した。そのうち天保13年までについて、来年度公表の予定である。 (2)は、平成18年までに刊行された13冊のうち、昨年度までに完成していた8冊分につづいて3冊分の索引を作成した。 (3)の索引は完成した。 (4)は、結婚式、法事等の際の到来物控、返礼控などの慶弔資料について調査中である。 (5)は、新潟県長岡市の聖徳寺伝来の資料、桂園派歌人柳下清老の子孫である柳下明也氏所蔵の和歌資料を調査した。つづいて、三重県鈴鹿市の常楽寺の所蔵資料調査を予定している。 (6)により、香川景樹点の仏光寺派関係者の詠草、児山紀成、菅沼斐雄の未紹介の著作などが新たに発見された。現在目録作成中である。
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