研究課題/領域番号 |
16520111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
吉田 司雄 工学院大学, 工学部, 助教授 (50296779)
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研究分担者 |
林 真理 工学院大学, 工学部, 助教授 (70293082)
一柳 廣孝 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (40247739)
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キーワード | 科学言説 / 近代日本 / メディア / 進化 / 遺伝 / 細胞 / 身体 / 無意識 |
研究概要 |
本共同研究プロジェクトの目的は、科学言説と文学言説との相互関連性を問題とし、従来の文学研究の枠内に収まりきらない文化研究の新たな地平をひらくことにある。それゆえ初年度は、研究計画書に記した通り、以下の点に力点を置いた。 一つは、科学言説のデータベース化をすすめるための土台作りである。データを集積するためのデスクトップ型パソコンを設置すると共に、資料収集のためのノート型パソコンとデジタルカメラを購入した。膨大なデータを単に網羅するのではなく、近代日本の言説空間における様々な言説間の配置を問題化するためにはどうすべきかが次年度以降の課題となる。 もう一つは、公開研究会の立ち上げである。準備に思いのほか時間がかかったが、2005年2月11日に以下の2本の発表を軸として、第1回を工学院大学新宿校舎にて開催することができた。 奈良崎英穂「感染文学論-科学は文学の糧たり得るか」 松永 俊男「進化論の成立と日本における受容」 当日は40名をこえる、文学や科学史の研究者に止まらない参加者があり、コメンテーターをお願いした谷口薫、慎蒼健両氏を始め、多くの方から積極的な発言があった。この公開研究会は、次年度以降も継続する予定である。 これらに加え、研究代表者・研究共同者の3名はそれぞれの研究を継続した。一柳廣孝は江戸川乱歩や川端康成における心理学・精神医学および心霊学の受容を問題とした。林真理は日本における動物学の成立に関する書誌的研究を続ける一方、メディア論的な視座から遺伝子概念の受容を論じた。吉田司雄は戦中期上野動物園での猛獣処分を題材とした土家由岐雄の「かわいそうなぞう」についての研究発表を日本文学協会研究発表大会(2004年7月18日)、日本児童文学学会例会(12月11日)で行ない、また資料収集のための海外調査を実施した。
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