研究課題
本研究は、時代やジャンルにより細分化して行われてきた日本古典文学作品の諸本研究を、統合的に見渡して本文流動の法則性を探り、それを基に、改めて時代やジャンル毎の特殊性を総合的に考察しようとするものである。研究計画の初年度に当たる平成16年度は、6月13日に第1回研究会を開き、研究代表者および分担者7名全員が、個々の専門に応じた研究課題と研究の実施方法についての計画説明を行った。夏期休暇を中心に、各々の目的に応じた調査出張を行い、その成果を纏めて、11月27日に第2回研究会を開催し、針本正行「異本拾遺和歌集の本文-天理大学図書館本を中心として-」・片岡利博「異文に秘められた情報を読む-蓬生巻の「めづらし人」をめぐって-」・佐々木孝浩「享保七年御会始和歌の本文をめぐって」の発表を行った。またゲストとして落合博志氏を招き、「『徒然草』の伝本と本文」と題して発表を依頼し、手薄な分野を補った。12月24日には第3回研究会を開催し、小林健二「「鉢かづき」諸本研究の展望-穂久邇文庫蔵「鉢かづき」絵巻を一つの軸として-」・加藤静子「『大鏡』裏書分註本の性格」・櫻井陽子「上越市立高田図書館蔵平家物語の紹介-平仮名古活字本の本文流動再考-」・松尾葦江「長門本現象をどうとらえるか-写本整理のスタートライン-」の発表を行った。初年度は、各自の問題意識を全員が共有するために、個々の専門分野に応じた研究を行い、その成果報告を行った。しかし、研究会での発表内容や質疑を通じて、従来の諸本研究の問題点を洗い出すことができた。また、その成果の幾つかを論文発表するに至っている。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (8件)
国文学論考 41
ページ: 25-40
駒澤国文 42
ページ: 53-70
観世 72・1
ページ: 40-48
斯道文庫論集 39
ページ: 197-241
國學院雑誌 105・7
ページ: 26-27
芸能史研究 167
ページ: 12-27
伝承文学研究 54
ページ: 1-17
明月記研究 9
ページ: 117-130