平成19年度は、第一次朝鮮教育令期と第二次朝鮮教育令期における教育制度の相違について、国語政策を中心について調査・考察を行った。この2期をめぐっては、朝鮮総督府学務課官僚の同化思想が異なるため、その相違が2期の制度においてどの程度連関しているかについて調査した。これは、当然のことかもしれないが、学務官僚の思想が朝鮮教育制度の変更に通低していることを証するものである。そして前年と同様に韓国ソウルにある国立中央図書館および釜山市立市民図書館において、植民地期発行の朝鮮教育に関連する和書の蔵書調査を行い、朝鮮教育に関連する一次資料の複写収集を行った。口頭発表では、九州大学韓国研究センター主催「日本統治期朝鮮半島研究ワークショップ文化研究編」(九州大学国際ホール、12/15)において、「朝鮮総督府における「国語」政策の基礎的研究-朝鮮総督府編纂発行教科書とその背景-」を報告した。『佐賀女子短期大学研究紀要』(42集、2008.3)に、「韓国国立中央図書館蔵 朝鮮教育資料目録-渡辺学・阿部洋編『日本植民地教育政策史料集成(朝鮮篇)』(龍渓書舎)未収録資料-」を掲載した。 また、研究成果報告書(全146頁)を作成した。調査成果については、研究成果報告HP「近代日本と韓国・朝鮮半島」において随時更新をした(http://swjc.saga-wjc.ac.jp/~nagasawa/)。
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