研究課題/領域番号 |
16520129
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
星野 勝利 岩手大学, 教育学部, 教授 (90003962)
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研究分担者 |
齋藤 博次 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (90180801)
開 龍美 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (50181152)
古川 努 岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (80322957)
秋田 淳子 岩手大学, 人文社会科学部, 講師 (10251688)
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キーワード | エコクリティシズム / 環境文学 / 現代アメリカ文学 / 場所の感覚 / ウィルダネス / ネィティヴ・アメリカン / 生態系 / パストラリズム |
研究概要 |
現代アメリカにおけるエコクリティシズムと「場所の感覚」について、共同研究者による報告会を持ち、言語文化学会および東北英文学会において、フォーラム及びシンポジウムを開催した。また、星野は、ジョン・ミュアと「場所の感覚」について論文にまとめた。齋藤は、都市文学と自然表象という問題について、アメリカン・パストラリズム思想とウィルダネス概念を基軸にして考察を深めた。特に、ソール・ベロー、J.Dサリンジャーケン・キージー、ジョンアップダイク、ポール・オースターの作品の中からシカゴやニユーヨークといった都市を舞台とする作品を選び、そこに表された自然が、単なる小説背景の機能を超えて、アメリカのパストラリズム思想やウィルダネス概念と重なり合う点があることを確認した。開は、「自己と場所」という根本問題への一つのアプローチとして、今年度は「環境主義におけるウィルダネスの観念」を研究課題として考察を行い、いわゆるウィルダネス論争の諸論点を分析し,ウィルダネス体験が文化的虚構ではなく真正な他者経験の局面をもつことを理解する必要性を指摘した。古川は、アメリカにおける生態学と環境法との関わりの展開を追い、1990年代以降に場所に基づく管理レジームの形成というかたちで双方の分野が成果として結実したことを確認した。また今後の課題として、さまざまなレジームの個別の規則等が場所としての生態系を全体的に管理していく趣旨のものであるかどうかを問う必要があることについても確認した。秋田は、ネイティヴ・アメリカン研究と、19世紀末から20世紀初頭にかけてネイティヴ・アメリカンに関心を抱いた白人女性作家Mary Austin研究のため、現地視察を行なった。彼女がThe Land of Little Rainの背景としたカリフォルニアの砂漠地帯、またネイティヴ・アメリカンのナバホ居留地などを視察し作品背景の「場所の感覚」を体感した。
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