研究課題/領域番号 |
16520129
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
星野 勝利 岩手大学, 教育学部, 教授 (90003962)
|
研究分担者 |
齋藤 博次 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (90180801)
開 龍美 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (50181152)
古川 務 岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (80322957)
秋田 淳子 岩手大学, 人文社会科学部, 講師 (10251688)
|
キーワード | エコクリティシズム / 環境文学 / 現代アメリカ文学 / 場所の感覚 / エコセントリズム / 生態系管理 / ネイティブ・アメリカン / 環境正義 |
研究概要 |
現代アメリカ環境文学におけるエコクリティシズムと「場所の感覚」について、共同研究者による研究会を定期的に行なうとともに、言語人文学会第14回大会のワークショップで共同発表、アメリカ文学会東北支部2月例会でシンポジウムを行なった。星野は、ジョン・ミュアの「場所の感覚」との関連で、アメリカ南西部砂漠地帯を舞台にしたエッセイや小説を発表したエドワード・アビィに焦点を当て、そこに見られる「場所の感覚」について分析を試みた。斎藤は、都市小説と都市開発との関係について考察するとともに、ビートジェネレーションの作家における「場所の感覚」に関する研究成果を東北支部例会で発表した。開は、アメリカ環境主義のエコセントリズムに典型的に指摘できる「場所の感覚」と「自己の感覚」の相同性の問題を,アルド・レオポルドの環境思想の再検討を通して考察した。古川は、アメリカの生態系管理政策における最近の進展を調査し、その政策が、陸側では河川流域を包含し、海側では排他的経済水域までを包含する広範な生態系をひとつの場として管理していこうとする方向性をもつことを確認した。秋田は、現代ネィティヴ・アメリカン作家Louise ErdrichのLove Medicine (1984)を対象に、ネイティヴ・アメリカンの「場所の感覚」にたいするドーズ法の影響を考察した。白人がもたらした法により、ネイティヴ・アメリカンは大地や自然から乖離し、西洋の土地所有意識をもつようになった事実を作品に辿った。なお、平成16年度から17年度に至る研究成果は、研究成果報告書として刊行される。
|