研究課題/領域番号 |
16520132
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田村 毅 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90011379)
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研究分担者 |
塩川 徹也 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (00109050)
竹内 修一 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (40345244)
吉村 和明 上智大学, 文学部, 教授 (30201049)
荒木 善太 青山学院大学, 文学部, 助教授 (70286219)
市川 裕史 津田塾大学, 学芸学部, 専任講師 (30297113)
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キーワード | フランス文学 / 新古典主義 / ロマン主義 / 芸術思潮 / 汎神論的神秘主義思想 / 絵画建築と文学の境界 / 都市空間と記念建築物 / 聖域の表象 |
研究概要 |
*研究分担調整およびコーパス作成。フランス18世紀末から19世紀前半にかけて絵画建築に表象された。「聖域(聖なる空間)」と文学表現との照応関係を探求し、汎神論的神秘主義思想に色濃く影響された新古典主義時代の汎ヨーロッパ的精神空間を彫琢するために、研究者間で観点のすり合わせを行い、時代・ジャンル・主題に即した分担対象領域を画定し、コーパス作成に取り組んだ。 *実地調査と資料収集。同時代に発想された特徴的な記念構築物が、都市空間における「聖域」創成にいかなる機能を果たしているかを、パリを中心に、比較対照するウィーン、プラハに焦点をあてて調査し、関連する文学作品と資料の収集・照合を行った。とりわけ、パリにおいては新古典主義からロマン主義にいたる建築美術を代表するサント・ジュヌヴィエーヴ教会(パンテオン)、マドレーヌ寺院に焦点をあて、「聖堂」建築の詳細、内外を装飾する彫刻・壁画等を調査し、詳細図と来歴を記したカタログ類を収集した。その他にも、19世紀以降の「中世文化の復権」の流れの中で再評価される南仏ロマネスク様式の教会建築を調査した。 *研究課題のレビュー。特に本プロジェクトで招聘はしなかったが、本年度中に東京大学文学部を来訪し、講演・セミナーを行った複数のフランス文学専門研究者(とくにナント大学Jean-Luc Steinmetz教授、パリ第7大学Francois Julien教授、他)から、本研究のレビューと関連資料に関する助言を受けた。 *研究代表者田村は、関連するテクスト・データベースを参照しつつ、新古典主義時代の建築美術関連の語彙調査を行い、その成果の一部が仏和辞書作成に反映されている。研究分担者塩川は「パスカルによる時間と永遠」、荒木は「ロマン主義とピトレクス」、吉村は、「エドゥアール・マネとモデルニテの終焉」、同「神話批判の彼方-シャルル・ボードレールを発表し、本研究の成果の一端を示した。
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