まず、第16回米国ウルフ学会(平成18年6月22〜25日まで英国バーミンガム、クラウン・プラザホテルで開催)において、Virginia WoolfのThe Wavesにおけるトランス・パシフィックな貿易・テレコミュニケーションおよびタヒチの楽園といった表象を取り上げ、"'This Side of Paradise' : Woolfian Boundaries of Nation Empire"を研究発表した。 次に、『愛と戦いのイギリス文化史1900-1950年』武藤浩史・川端康雄・遠藤不比人・大田信良・木下誠編を、英国モダニズム文学の研究書および文化史の教科書として、2007年2月慶応大学出版会より出版した。これは、D.H.ロレンスの代表的小説・スパイ小説と帝国主義を太平洋の表象によって論じた第13章「退屈と帝国の再編」を寄稿するだけでなく、第III部「イギリス・帝国・ヨーロッパ」を中心に本書全体の編集をした成果である。 さらに、20世紀の英米モダニズム文化を、さらにより大きな歴史的パースペクティブからも、とらえなおすために、論文「『ガリヴァー旅行記』、帝国、英蘭関係」『ガリヴァー旅行記』木下卓・清水明編著ミネルヴァ書房2006年8月を出版し、また第38回米国18世紀学会(アメリカジョージア州アトランタ、シェラトンミッドタウンホテル2007年3月22〜25日)におけるパネル"The Global Eighteenth Century"において、"The Ideological Origins of the Global 'Public Sphere' : Anglo-Dutch Relations and the Pacific"を口頭発表した。
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