研究概要 |
WoolfのBetween the Actsにおけるオーストラリアと金融経済の表象を取り上げThree Guineasで問題にしたヨーロッパのファシズム、国際連盟とフェミニズム的平和主義の意味を、ナショナルな英国文化とトランスナショナルな帝国との交渉によって読み直した。また、LawrenceのWomen in Love, Kangarooが表象する英米関係、日露戦争後のアジア情勢、国際関係を、太平洋を含むグローバルな視点から解釈した。これらの成果は、「帝国の(再)編制とロレンス」として『D.H.ロレンスとアメリカ/帝国』に寄稿し、また、第79回日本英文学会シンポジウム「国際政治の中の20世紀イギリス」において口頭発表・『大会Proceedings』で発表し、日本ヴァージニア・ウルフ協会記念論文集にも発表する予定である。さらに、同様の観点からEliotについても、T. S. Eliot Reviewの書評論文及び東京学芸大学紀要の論文として、発表した。また、これらの研究を実地調査によっても裏付けるために、国内外の諸大学・図書館・施設への文献調査や研究会を行い、さらに、科研研究の展開事業として筑波大学大学院の博士論文『帝国の文化とリベラル・イングランド』として、まとめた。
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