研究概要 |
平成17年度においては、昨年度に続いてオックスフォード運動の性格をより深く明らかにすることができた。まず『時局冊子』(Tracts for the Times)などの一次資料、Peter B.Nockles, The Oxford Movement in Context : Anglican High Churchmanship 1760-1857 (Cambridge : Cambridge University Press, 1994)をはじめとする評価の高い研究成果を参照し、オックスフォード運動が持っていた反時代性を明らかにし、イングランド国教会の中に「カトリック教会」を復興する「聖性」運動という性格を描写することができた。また、1845年にローマ・カトリシズムの信者となることを選択したJ.Hニューマンの自伝的小説『損と得』に関する論文(教友社発行予定)、クエーカーからアングリカンとなったJ.H.ショートハウスの小説『ジョン・イングルサント』に関する論文(日本キリスト教文学会発行予定)をまとめることができた。
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