研究課題/領域番号 |
16520164
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
田中 雄次 熊本大学, 文学部, 教授 (60040490)
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研究分担者 |
加藤 幹郎 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (60185874)
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キーワード | パルファメト協定 / ドイツ国民映画 / 表現主義 / 新即物映画 / 反ユダヤ人政策 / ブリッツ・ラング / ゲオルク・パープスト / フリードリヒ・ムルナウ |
研究概要 |
ワイマール映画史にとって決定的な意味をもつ出来事は、ドイツ最大の映画社ウーファとアメリカの大手映画社パラマウント社とメトロ・ゴールドウイン・メイヤー社との間に取り交わされた<パルファメト協定>であった。研究代表者(田中雄次)と研究分担者(加藤幹郎)は、この協定の歴史的意義を明らかにするために、海外(ドイツおよびイタリア)および国内(アテネフランセ文化センター)での調査研究を行なった。 平成16年度においては、研究代表者と分担者は次のような調査研究を行い、別紙のような論文を作成した。 研究代表者は、平成16年8月25日から9月7日にかけてドイツにおいて、フランクフルトのドイツ国立映画博物館およびベルリン映画博物館においてワイマール映画の初期の重要資料を複写してもらい、その分析を現在継続している。平成17年度において収集を予定しているドイツ映画博物館におけるワイマール映画中期の資料とあわせて分析し論文化することにしている。 研究分担者は、イタリアのサイレント映画祭に参加して、ワイマール映画に関する貴重な資料を収集して、ワイマール映画に重要な位置を占めるブリッツ・ラングの『メトロポリス』を強く受けた、アメリカ映画の名作『ブレード・ランナー』(リドリー・スコット 1982/92)の分析を行なった。それは主要なシークエンスとショットを追って、物語と映像の展開をテキスト分析論的立場から解析し、映画技法と映画理論についての再検討を行なったものである。今後も研究を継続する。 平成17年度における研究は上記の研究に加えて、ワイマール時代末期のドイツ、オーストリア在住のユダヤ系映画関係者(映画監督、映画俳優、脚本家等)たちのハリウッド亡命への背景とそのドイツ国民映画への影響を共同で検討する予定である。
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