研究課題/領域番号 |
16520164
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
田中 雄次 熊本大学, 文学部, 教授 (60040490)
|
研究分担者 |
加藤 幹郎 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (60185874)
|
キーワード | ハリウッド / <パルファメト協定> / ドイツ国民映画 / E.ルビッチ / F.ラング / E.ポマー / E.ヤニングス / F.ムルナウ |
研究概要 |
ワイマール映画の転換点を画するのが、ドイツ最大の映画社ウーファ(Ufa)がアメリカの大手映画社パラマウント(Paramount)とメトロー・ゴードウィン・メイアー(Metro-Goldwyn-Meyer>との間に取り交わした<パルファメト協定>(Parufamet)である。 研究代表者(田中雄次)と研究分担者(加藤幹郎)は、この協定をめぐる様々な問題群を探るために、海外(ドイツ)および国内(アテネフランセ文化センターおよび国立近代美術館フィルムセンター)において調査研究を行った。 平成17年度において、研究代表者と研究分担者は次のような調査研究を行い、別紙のような著作と論文を発表した。 研究代表者は、平成17年8月23日から9月3日まで、ドイツ連邦共和国のフランクフルトの国立映画博物館およびベルリン映画博物館において、ワイマール映画中期の新聞・雑誌に発表された論文・エッセイや新聞記事の複写を行った。その分析結果を基に、平成18年3月に論文「ハリウッドの野望とドイツ国民映画の変容」(『熊本大学社会文化研究』第4号)と過去2年間に渡る科学研究費によってまとめた論文集『ワイマール映画研究序説』を発表した。 研究分担者は、ドイツとアメリカの関係をまとめた「映画と亡命 ドイツとアメリカの関係-その古典と現代-」を研究代表者との共著『ハリウッドの野望とドイツ国罠映画の危機-<パルファメト協定>をめぐる問題群-』(平成16年度-17年度研究成果報告書)に発表した。また、ワイマール映画の表現主義の影響を強く受けたヒッチコックに関する著書『ヒッチコック「裏窓」ミステリの映画学』(みすず書房、2005年)とこれまでの映画史を新たな観点から捉えなおした『映画の論理新しい映画史のために』(みすず書房、2005年)を公刊した。 今後は、平成17年12月5日に京都大学において、研究分担者が会長に、研究代表者が常任理事長になって立ち上げた「日本映画学会」の会員の人たちの協力を得て、ワイマール映画をヨーロッパ、アメリカそして日本を含めたグローバルな視点からの研究を継続していく予定である。
|