昨年度に引き続き、エリザベス朝に英国で出版された"Italian Books"約300冊のうち約100冊について、翻訳書とイタリアのoriginalに直接あたり、bibliographical descriptionを試みた。戯曲本のbibliographical descriptionはGregなどの先人の偉業があるが、イタリアからの影響という視点にたった、戯曲以外のジャンルについての研究分析は地に例を見ず、学問的価値があると信ずる。昨年度まで翻訳書を11のジャンルに分類して作業を行ってきたが、本年度はジャンルを見直し、翻訳書を8のジャンルに分け、また英国においてイタリア語で出版された書物、さらに、英国においてイタリア人が国際語であるラテン語で出版した書物も、8つのジャンルに再分類する作業を行った。特に戯曲に関しては、書籍単位とは別に戯曲単位で集計することも試みた。当時の知識人たちが、イタリアのどのような側面に食指を動かしたかを探っている。残りの書物についても同じような調査・分析を行い、preliminariesを中心に出版状況を明らかにする。今年度は特にLearning & Methodologyの分野を中心に分析を試みた。集計した資料は書誌学的記述のみでなく、表形式でもまとめたいと考えている。
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