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2005 年度 実績報告書

アメリカ・マイノリティ文学における「境界」表象

研究課題

研究課題/領域番号 16520176
研究機関中央大学

研究代表者

藤平 育子  中央大学, 文学部, 教授 (70024099)

キーワードアメリカ文学 / マイノリティ文学 / 女性 / ネイティヴ・アメリカン / アフリカン・アメリカン / アメリカ南部文学
研究概要

研究課題の「アメリカ・マイノリティ文学」は、アメリカ社会・歴史・文化における「マイノリティ」によって書かれた文学、および、いわゆる主流文化に属する作家によって書かれた人物および歴史描写におけるマイノリティ表象を指している。本研究における2年日は、アフリカ系文化研究において主導的立場にあるコーネル大学のHortense Spillersによる刺激的なエッセイの翻訳によって始まった。Spillersのエッセイは、アメリカの主流作家であるWilliam Faulknerが今では、アメリカの主流大学のひとつ、コーネル大学において、アフリカ系アメリカ文学作品とともに教えられていること、その理由は、フォークナー文学が北米に限らず、中南米およびカリブ地域の作家によって共有される「境界」を越えていく人間の意識を書き続けたからに他ならないことを雄弁に語っている。
夏には、ハーヴァード大学において、マイノリティ文学の資料調査を行った。また10月には、2004年フォークナー国際会議で発表された論文集の共編者として、全文英文によるHistory and Memory in Faulkner's Novelsを出版した。本著には、研究代表者による論文も含まれるが、その英文原稿を改訂し日本語に翻訳したヴァージョンも紀要に発表した。
また、オジブエ・インディアンの居留地Turtle Mountainの物語を書き続けているLouise Erdrichの歴史物語についても論文を発表したが、本論文は、英米文学界の伝統的雑誌『英語青年』における最初のErdrich論となった。
以上、主流文学の巨匠フォークナーとマイノリティ文化の接点を探る試み、および、いわゆる「マイノリティ」に属するアフリカ系人物、女性人物、アメリカ・インディアン作家について研究を続け、研究課題の「境界」表象について成果を得た。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 絶滅からのサヴァイヴァル物語・Louise ErdrichのTurtle Mountain年代記2006

    • 著者名/発表者名
      藤平 育子
    • 雑誌名

      英語青年 第151巻11号

      ページ: 16-17

  • [雑誌論文] 『尼僧への鎮魂歌』-抑圧された記憶の劇場2006

    • 著者名/発表者名
      藤平 育子
    • 雑誌名

      中央大学文学部紀要(外国文学) 98号

      ページ: 63-85

  • [雑誌論文] 翻訳・ホーテンス・スピラーズ「フォークナーと旅する」2005

    • 著者名/発表者名
      藤平育子
    • 雑誌名

      フォークナー 7号

      ページ: 87-95

  • [雑誌論文] The Theater for Forgotten Scenes in Requiem for a Nun2005

    • 著者名/発表者名
      藤平 育子
    • 雑誌名

      単行本 History and Memory in Faulkner's Novels(Tokyo : Shohakusha)

      ページ: 246-269

  • [図書] History and Memory in Faulkner's Novels2005

    • 著者名/発表者名
      藤平育子(Noel Polk, 田中久男と共編)
    • 総ページ数
      303
    • 出版者
      松柏社

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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