研究概要 |
フランス中世文学を代表する作品の一つである『狐物語』の総合研究を完成させるために是非共必要となる所謂後代作品に関する研究として平成16〜19年度の四年間で十数篇の論文と二訳書を世に送った。最終研究年度である平成19年度に取り扱ったテーマは二種類に大別出来る。その一は近年まで研究者にほとんど考察の対象とされることのなかった作品"Le Dit de la queue de Renart"で本邦ではその翻訳を含めて初出の論文であると思う。その二はこの四年間の調査,考察の過程で文学史上の意義が再確認出来にphilippe de Novareによる後代作品である。更にこの作品に関してははからずも関係の深い未発表断片写本(13^e世紀)の発見も伴なって。更に今後の検討への課題が新たに生じることとなった。
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