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2004 年度 実績報告書

アメリカにおけるアジア系移民の社会と文化の変遷-アジア系アメリカ文学を通して-

研究課題

研究課題/領域番号 16520194
研究機関京都産業大学

研究代表者

野崎 京子  京都産業大学, 文化学部, 教授 (90121540)

キーワードアジア系移民 / マイノリティ / 黒人 / ユダヤ人 / コミュニティセンター / ホロコースト / ショア / アイデンティティ
研究概要

平成16年度研究計画(1)アジア系移民との比較の意味でヨーロッパ系移民の背景を調査するため、平成17年3月ヨーロッパへ出張した。1960年代初期まで、「マイノリティ」研究と言えば「ユダヤ人と黒人」が対象の大部分であり、それは60年代後半から70年代にかけて台頭して来たアジア系移民を研究する者にとっては、無視できない事項であった。
この度の出張でも各国のユダヤ人のコミュニティーセンターが文化発信基地として起動している(黒人の場合も同様なことは、11月アトランタでのアメリカ学会でも確認。)反面、個人主義の強いヨーロッパ人らしく、文学者(カフカなど)や画家(ミュシャなど)の作品が彼等のユダヤ人としての背景と強く関連している点に、歴史・民族的にも異なるアジア系移民との違いを実感した。
何より強烈だったのが、2005年がアウシュビッツ解放60周年として、ユダヤ人という一民族の問題としてではなくヨーロッパ諸国で「重い記憶」として「ホロコースト」や「ショア(shoah)」というヘブライ語が使われ、国民の「アイデンティティの一部」として認識されつつあることだ。「日系強制収容所」体験者としてアジア系研究者と成った私は、改めて歴史研究上、体験者の証言とアジア系の連帯の重要性を痛感した。日系人としての戦争花嫁に関する研究論文を、2004年7月ニュージーランドのアメリカ学会で発表した。
同様戦争記録と言う意味から、2005年3月末出版する論文「日系人の中の周辺性:日本に傾倒した二世たちーケリー・サカモトの"One Hundred Million Hearts"を端にー」は、日系二世が、「イン・ビトウィーン」(中間)の存在として其の忠誠心やアイデンティティを問われる葛藤に焦点を当てた。
また,科研費の謝礼金で日本の大学で教育研究している印度系、ベトナム系、フィリッピン系、日系の等の学識者の声を聞けたことは有意義であった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 日系人のなかの周辺性:日本に傾倒した二世たち-ケリー・サカモトの"One Hundred Million Hearts"を端に-2005

    • 著者名/発表者名
      野崎 京子
    • 雑誌名

      立命館言語文化研究 16巻4号

      ページ: 3-14

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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