• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

中世から近世初期における朝鮮経由の『三国志演義』受容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16520199
研究機関上智大学

研究代表者

長尾 直茂  上智大学, 文学部, 助教授 (30323182)

キーワード三国志演義 / 朝鮮版三国志演義 / 五山禅僧 / 中世の漢詩文 / 江戸の漢詩文
研究概要

まず中世における『三国志演義』の受容を調べるために、五山禅僧の漢詩文を中心に文献調査を行った。その結果、明白な受容の痕跡を見出すことはできなかったが、三国志に関わる言説が禅僧の漢詩文に多く見受けられることが確認できた。中でも、忠臣あるいは王佐の人として名高い諸葛孔明を批判した中国の詩文が、禅僧愕隠(1357〜1425)や博士家の清原宣賢(1457〜1550)らによって読まれていることなどを明らかにできた。こうした孔明批判の言説は中世においてもそれほど肯定的に受け入れられたわけではないが、江戸期の『三国志演義』受容以後においては、全く影を潜めてしまい、孔明賛美の論調が大半になってしまうことも確認できた(以上、拙稿「諸葛孔明批判論とその本邦における受容をめぐる一考察」を参照のこと)。
今ひとつは、韓国における文献調査の成果である。ソウル市内の東国大学校と延世大学校に所蔵される、朝鮮王朝時代に刊行された『三国志演義』版本二種を調査した。特に東国大学校が所蔵する版本は、中国の明・清代に刊行された版本をそのまま翻刻したものではなく、朝鮮において本文に注釈や評語を付加したものであり、こうしたテキストが日本に輸入されたことを推測させる重要な資料であった。ここに重要な資料と記すのは、朝鮮時代における『三国志演義』の読み方を日本の江戸時代で受容したのではないかとの可能性を示唆するという意味においてである。しかし遺憾なことに、東国大学校所蔵本は零本(1巻を残すのみ)であり、その全貌や刊年は確認できない。そのため今後、こうした朝鮮版『三国志演義』の版本の所在を韓国や日本の大学・図書館を中心に継続して調査してゆく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 諸葛孔明批判論とその本邦における受容をめぐる一考察2005

    • 著者名/発表者名
      長尾直茂
    • 雑誌名

      斯文 113

      ページ: 1-16

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi