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2006 年度 研究成果報告書概要

中世から近世初期における朝鮮経由の『三国志演義』受容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16520199
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 各国文学・文学論
研究機関上智大学 (2005-2006)
山形大学 (2004)

研究代表者

長尾 直茂  上智大学, 文学部, 助教授 (30323182)

研究期間 (年度) 2004 – 2006
キーワード三国志演義 / 朝鮮版三国志演義 / 通俗三国志 / 諸葛孔明像 / 五山禅僧 / 中世の漢詩文 / 江戸の漢詩文
研究概要

本研究の企図するところは、中世から近世初期にかけての時期に、いかに『三国志演義』(以下、『演義』)が本邦で受容されたのか、その様相を具体的な事例に即して考察することにあった。そのため先ず平成16年度は、諸葛孔明という人物を軸に据え、その人物像における、『演義』世界の影響をうけて形成された部分を検討・確認する作業を、中世から江戸時代までの漢詩文を通覧することを通じて行った。
次に平成17年度は、主に五山禅僧や博士家の漢詩文、あるいは抄物等の文献資料を中心に調査を行った。その結果、中世における『演義』の明白な受容の痕跡を見出すことはできなかったが、三国志に関わる言説が禅僧の漢詩文に多く見受けられることが確認できた。
最終年度である平成18年度は、韓国における文献調査の成果を用いて『通俗三国志』(元禄四年1691)との関連を考察した。今回の研究において、韓国ソウルの東国大学校に所蔵されるテキスト(巻5のみ残る)を実際に調査する機会を得たので、それを日本における『演義』の翻訳である『通俗三国志』と対照したのである。その結果、『通俗三国志』翻訳の過程で、朝鮮版『演義』が参照された可能性があることが認められた。そして、仮に『通俗三国志』翻訳に朝鮮版『演義』が用いられたとするならば、中国の小説がいったん朝鮮半島に入り、そこで新たに印刷し直された後、そのテキストが日本に輸入されるという書籍流通の経路があったことが推測され、東アジアの文学・出版をめぐるネットワークに新しい光を照射することになるであろうことを示唆した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 朝鮮版『三国志演義』管見ー『通俗三国志』との関連をめぐる試論2006

    • 著者名/発表者名
      長尾直茂
    • 雑誌名

      漢文學 解繹與研究 9

      ページ: 33-58

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 諸葛孔明批判論とその本邦における受容をめぐる一考察2005

    • 著者名/発表者名
      長尾直茂
    • 雑誌名

      斯文 113

      ページ: 1-16

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 江戸時代の漢詩文に見る羽扇論巾の諸葛孔明像-『三国志演義』との関連において2004

    • 著者名/発表者名
      長尾直茂
    • 雑誌名

      漢文學 解繹與研究 7

      ページ: 73-103

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-27  

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